禁煙してランニングをはじめた僕の目標設定の仕方

 最近は、週3日30分以上の有酸素運動をしている。具体的には、約6kmを1時間かけてランニング。Amazonで購入したチェスト型の心拍計とそれに連動した腕時計型の心拍計を身に付けて走っている。最初の10分を最大心拍数の50%程度で、次の25分を60~80%で、残り25分を自由なペース(だいたい90%程度)と調整しながらだ。

 

 この運動をはじめたことには理由がある。健康のためだ。僕は喫煙者で、約5年間、1日1箱のペースでタバコを吸っていた。でもある日、扁桃炎にかかり、高熱とのどの痛みから今まで感じたことのなかった苦しさに襲われた。自分が死んでしまったんじゃないかと錯覚するくらい凄まじいものだった。いまはこのとおり無事生きているけど、僕はその苦しさをすべてタバコのせいにしてみたんだ。実際、タバコのせいなのかどうかは知らない。でも、とりあえずタバコのせいだと強く思い込んだ。そして、喫煙者である母親を説得して、一緒に禁煙を始めることに成功した。

 

 いま、すでに禁煙して11ヶ月が経っている。カフェや居酒屋でタバコのにおいを嗅いでもまったく吸う気にならない。「もうタバコを吸うことはない。安心だ。俺はもう不健康とはおさらばしたんだ!」そう思った。と同時に、「どうせならもっと健康になってやろうじゃないか!」「タバコ吸っていたらしなかったであろうことをしようじゃないか!」こう思って、僕は1つの目標を設定した。

 

”2017年の東京マラソンに出場して4時間以内に完走する”

 

 最初からこの目標を設定したわけではない。実は何度も何度もToDoListの中に「週3日30分以上の有酸素運動をする」という項目を入れていた。でも、ぜんぜん始められる気配がしなかったし、実際はじめられなかった。

 

 「スポーツウェアに着替えて5分間外に出る」

 

 こんな小さな目標を設定してみても行動する気にならなかった。単純にめんどくさかったし、自分にとっては重要でも緊急で必要なことでもなかったからだ。でもいつか始めたいとは思っていた。

 

 あるとき、行動に移すために1つのアイデアを思いついた。

 

 「友達から月・水・金曜日に走ったかどうかの確認の連絡もらう」

 

 相手にとっては何のメリットもない。でも、幸いにも友達はこの要望に応じてくれた。LINEのアカウント名を『○○(僕の名前)(月・水・金に走ったかどうかの連絡をする)』に自発的に変えてくれたこと、いま思うとおもしろいけど本当に感謝でいっぱいだ。ずっとしてもらうのはさすがに申し訳ないので、ランニングを習慣化できそうだと感じたら連絡してもらうのを終了することにしていた。

 

 実際、このやり方は僕の性格にとってかなり有効だった。

 

 走ったかどうかの連絡を何度もさせるのは、罪悪感を感じるからだ。それに、手間をかけて連絡をくれているのに、「走ってない」なんて返答できるわけがない。それこそ相手に申し訳ないなと。あと、なぜか心のどこかで「こいつ(友達)の分まで頑張って走ろう」と思った。もう一度言うけど、友達に何一つメリットはない(笑)

 

 心拍数を測りながらランニングしたことがある人にはわかると思うけど、脂肪燃焼を目的とする程度だったらすごーくゆっくり走ればいい。まったく苦しくない。むしろこの程度で脂肪燃焼できちゃうんだって驚くぐらい。だからランニングが苦にならなくて、簡単に習慣化できた。

 

 ランニングの最初の目的は、健康。と同時に脂肪燃焼。でも「ただ痩せるだけだとつまらない。せっかくならもっと大きな目標を立てて、達成して自信をもっと持てるようになろう!」と思っていたちょうどその頃、たまたま家族が点けていたテレビから東京マラソンの映像が流れてきた。

 

 「これだ!」

 

 それから出場するためにはどうすればいいのかをググった。どうやら毎年30万人程が抽選をし、その中の30000人が一般出場できるようだ。他には、10万円を募って寄付したり自分で支払いさえすれば、先着3000名がチャリティーランナーとして走れるという情報を得た。抽選は8月、チャリティーランナーの応募はその前の7月。

 

 「なるほど、とりあえず詳細はわかった」

 

 次に起こした行動は、定期的にジムに通っているという友達を2017年の東京マラソンに誘うことだ。一緒に完走目指したほうがモチベーションが上がってもっとがんばれると思ったからだ。

 

 僕「一緒に来年の東京マラソンに出場しよう!」

 

 友達「いいよ(笑)」

 

 即答すぎてびっくりしたが、うまくいった。

 あとは本番を想定しながら、からだとタイムと相談しながら走るのみだ。

 

 禁煙やランニングについて語ったが、それぞれはじめるきっかけや僕なりの目標設定の仕方などを紹介してみた。よく「少し頑張れば手の届きそうな小さな目標」を設定すると行動に移しやすいといわれるけど、僕みたいにフットワークが重くて、でも罪悪感を感じやすいような人にとっては、多少なりとも半強制的に動かないといけない環境に追い込んでみるとうまくいくんじゃないかと思う。